銀粘土でアクセサリーを作った記録



10代の頃から漠然と開けたいな~と思い続けていたピアス穴を今年2月に開けた。右耳にひとつ。
いろいろ付け替えて楽しみたい、ということでアクアマリンのさざれ石を買って作ったのが上の画像のもの。

そして更に芽生える気持ち…これも昔からやってみたいと思っていた銀粘土で何か作りたい。



原型データ作り
思い立ったらとにかく行動!まずは原型をどうするか。
過去に一度アクセサリーパーツを作りたくて3Dプリントサービスに頼み、型取り段階で挫折したのを再チャレンジする事に。
使うソフトは【Metasequoia4】
5年くらい前に創作キャラのMMDのモデルを作りたくて購入した。(挫折した)


この画像を元に3Dに起こしていく。ソフトの操作感はAdobeのIllustratorになんとな~く似てるような気がする。全然違うと言えばそれもそう。



元画像のもみじは今回は保留する事に。
既存の銀粘土用モールドを検索してどこまで細くてもいいか、どのくらいの精度で成型できるかなどを調べる。最終的にオブジェクトのサイズは星が10×12×1mm、せんたくばさみが7.9×12.7×1.4mmとした。凹み部分は表面から0.6mmへこませた。
銀粘土は焼成すると約8%~10%縮むので最終出来上がりのサイズよりも少し大きめにする。
シリコンを流し込む用に枠も付けてみた。

出来たデータが3Dプリンタで造形できるかチェックするソフト【Materialise MiniMagics】を使って最終確認。オブジェクトが閉じてなかったりすると「できないよ!」って教えてくれる。



大丈夫そう。

3Dプリント
できたデータを3Dプリントサービスで出力を依頼。
利用したのは【DMM.make】の3Dプリント造形サービス。
ここでは色んな素材を選べる。一応、銀や金やチタンなどでも完成まで作ってもらえるサービスではあるが、お値段がびっくりな事になるので今回は原型だけを作ってもらう。
今回の素材は安価な「Resin ABSライク」を選んだ。最小幅で0.3mm程度まで再現可能とあり、安価ながらなかなかの精度で造形してくれる。
データをアップロードして、ここでも造形できるかチェックをしてもらうが「強度に不安がある程度の細すぎる場所があるので造形できません」とのお返事が…(上記の画像は修正後)
細い所を少し太らせたりして再度チャレンジ。無事通過。
値段は素材とサイズで決まる。今回は783円也。(たぶん)安い!しかも送料無料!

そして10日ほどで届いたのがこちら!



真っ白すぎて写らなかったので画像がちょっと暗いけど、きれいに出力してもらえました!!
フィラメントの糸の残りが表面にあったりするので(これは製法上仕方がない事なので不良ではない)カッターなどで削る。

シリコンで型取り
原型ができたので型取りをする。使ったのはレジンで有名なパジコの【クリアシリコーン型取り剤】。2つの液を混ぜて硬化させる透明なシリコン。試しに使ってみた時に気泡が非常に多くて型取りに影響はないとはいえ見た目がよくない…という事で、今回更に用意した器材、それは【真空 パンケース】
名の通りパンをふかふかに保存するための真空容器だが、シリコンの気泡抜きに利用している人もいるらしいので採用した。
型にシリコンを流し込み、真空にしてしばらく放置すると気泡がなくなるとの事だが20分程待っても細かい気泡がいっぱい…失敗かと思えたが真空状態を解除して一晩放置するとなんときれいさっぱり気泡が消えていた!



この透明感!!美しい…
嬉々としてついに銀粘土の成型へ。

銀粘土




銀粘土をつめつめ。使ったのは銀粘土と言えばの【アートクレイシルバー】。スターターキットを買った。
余談だが銀粘土は国内2社しか販売していないそうで、もう1社である三菱マテリアル(固形燃料が使える焼成ポットが付いてくる製品の所)は銀粘土事業から今年3月に撤退してしまうそうだ。
当初ポット付きの三菱マテリアルの製品を買おうとしていたのだが、いずれ銀粘土がなくなったらポットは他社の粘土では使えない事に気付いてやめた。なんか焼成温度が違うんだって。

モールドが透明なので裏からすき間がないか確認しながら詰められる。
油は食用で良いので塗った方が良い。が、塗ったら塗ったで指について型から出る…を何度か繰り返した。指にも油塗って良いと思う。粘土にたくさん混ざるとよくない気はするが。
薄くて小さいモチーフなのでドライヤーで10分ほどで乾く。型から取り出して不要な部分や表面を削ってなめらかにしていく。削るという作業は工作してるな~!って気分になって好き。
過去に工作用に買った小さなやすり等がガンガン役に立つ。そんなんばっかだな。あれらは布石だったのだ…



現段階では薄い灰色。あまりに綺麗にできすぎて3Dプリントを軽く畏怖。夢が広がるな…3Dプリンター家に欲しい…
さて、次は焼成。この時の為にカセットコンロを買った。これはまあ他に色々使えるし…



わくわく焼成タイム。網の赤熱した部分に銀粘土を置き、5~10分加熱。薄くて小さいので短時間でもいけそうだけど一応たっぷり10分加熱しておいた。溶けたりはしなかった。
冷ましたらちゃんと焼けて一回り小さくなっているか確認。OK。しっかり1mmほど小さくなっていた。



焼くと真っ白に。美しい…。このままでも「焼きっぱなし」という仕上げ法になるらしい。今回2セット作ったので、1セットはこのまま置いておくことに。
次は研磨。鏡面仕上げにする。キットに入っていたステンレスブラシでごしごし…研磨スポンジ3種でごしごし…仕上げにポリッシュクロスでごしごし…



下が研磨済み。ぴかぴかだあ…本物の銀だあ…


正直ここまできれいに作れるとは思わず、本物の金属で自分のデザインがここまで物理的に再現できるのが嬉しく久しぶりに物作りで興奮した。
まだまだ構想段階ではあるものの、いずれはアクセサリーパーツ屋さんもやりたいなあと漠然と考えているので腕と銀をもりもり磨きたい。
とにかくモールドがきれいに作れたことが本当に嬉しかった…

投稿者:

せいじ

おえかきとかゲームとかする人

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